2006/11/20
実験題目:血糖調節
実験者:windowsxp
共同実験者:Mac
目的・緒言:
生体内の糖代謝は内分泌系および自律神経系により調節され、血中のグルコース濃度はほぼ一
定に維持されている。本実習では膵臓ラングルハンス島のβ細胞から分泌されるインスリンの血
糖下降作用と副腎髄質から分泌されるアドレナリンの血糖上昇作用をラットを用いて観察する。
概要:
インスリンの代謝に対する作用
1)糖やアミノ酸の細胞膜透過の促進(筋、脂肪組織)
2)グリコーゲン合成酵素の不活性化型から活性型への転換
3)脂肪分解の抑制(脂肪組織)
4)蛋白合成促進、および特定の酵素の新生促進(肝など)
アドレナリン(β受容体を介する)の代謝に対する作用
1)肝臓や骨格筋のグリコーゲン分解促進
2)代謝率の増加
3)遊離脂肪酸の放出促進
材料:雄ラット(330g)
方法:
1.ラットを麻酔した(ネンブタール)。
2.ラットを背位に保定し、喉頭部の毛を刈った。
3.気管カニューレを装着した。
4.手術後 20-30 分ほど待って、プロトコールに従って薬物の投与と採血を行った。薬物は腹腔
内に投与し、採血は尾から行った。ヘマトクリット測定用の毛細管および遠心機を用いて、
plasma を遠心分離し氷上に置いた。
5.すべてのサンプリングが終了後、やすりを用いて毛細管の plasma のみを容器に吹き出し、5
μl を血糖値測定用に供した。
Protocol
採血 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
時間(min)
0 15 30 45 60 75
薬物投与 ↑
Adr or Ins
Adr: 0.5 mg/kg BW(i.p) Ins: 0.5 U/kg BW(i.p)
0.5 mg/ml 0.5 U/ml
6.Sample の血糖値を測定した。
<グルコース測定>
Sample Standard
(200 mg/dl グルコース)
Blank
(蒸留水)
試料 5μl 5μl 5μl
発色試薬 3 ml 3 ml 3 ml
37℃、5 分のインキュベーションの後、505 nm の吸光度を測定。
結果:
表 1 血糖値測定(インスリン投与)
吸光度
1 回目 2回目 平均
グルコース濃度
(mg/dl)
0 0.083 0.083 0.083 123
15 0.067 0.067 0.067 100
30 0.042 0.042 0.042 62.6
45 0.037 0.038 0.0375 55.9
60 0.040 0.040 0.040 59.7
75 0.042 0.043 0.0425 63.4
Blank 0 0 0 0
Standard 0.134 0.134 0.134 200
※グルコース濃度の換算
200: 134.0 :
=
y x
x
:吸光度
y
:グルコース濃度
表 2 血糖値測定(アドレナリン投与)
0 15 30 45 60 75
グルコース濃度(mg/dl)
114
125
141
177
213
224
※インスリン投与とは別の個体
Ins および Adr どちらの実験も開始 0 分の血糖値は通常値におさまる(通常 115± 15 mg/dl
程度)。
図 1 血糖値(アドレナ
リン又はインスリンの投
与)
Adr 投与後に血糖値の
上昇(125→224)、Ins 投
与後に血糖値の低下(100
→60 前後)が見
2006/11/20
実験題目:血糖調節
実験者:windowsxp
共同実験者:Mac
目的・緒言:
生体内の糖代謝は内分泌系および自律神経系により調節され、血中のグルコース濃度はほぼ一
定に維持されている。本実習では膵臓ラングルハンス島のβ細胞から分泌されるインスリンの血
糖下降作用と副腎髄質から分泌されるアドレナリンの血糖上昇作用をラットを用いて観察する。
概要:
インスリンの代謝に対する作用
1)糖やアミノ酸の細胞膜透過の促進(筋、脂肪組織)
2)グリコーゲン合成酵素の不活性化型から活性型への転換
3)脂肪分解の抑制(脂肪組織)
4)蛋白合成促進、および特定の酵素の新生促進(肝など)
アドレナリン(β受容体を介する)の代謝に対する作用
1)肝臓や骨格筋のグリコーゲン分解促進
2)代謝率の増加
3)遊離脂肪酸の放出促進
材料:雄ラット(330g)
方法:
1.ラットを麻酔した(ネンブタール)。
2.ラットを背位に保定し、喉頭部の毛を刈った。
3.気管カニューレを装着した。
4.手術後 20-30 分ほど待って、プロトコールに従って薬物の投...