日大通信 民事訴訟法(分冊2)の合格レポートです。
レポート作成の参考にご利用ください。
民事訴訟法 分冊2
Ⅰ.既判力とは
確定した終局判決の内容である判断に付与される拘束力を既判力という。既判力が生じることにより、審判対象となった訴訟物としての権利または法律関係について、後訴で問題となっても、当事者はそれと矛盾した主張ができず、また、裁判所も確定判決と抵触する判断をすることができなくなる(114条1項)。
既判力の作用は、①当事者は既判力の生じた判断を争うことは許されず、後訴裁判所はこれを争う当事者の申立てや主張・抗弁を排訴しなければならないという消極的作用と、②裁判所は既判力で確定された判断に拘束され、これを前提として後訴の審判をしなければならないという積極的作用の2つから成り立っている。
Ⅱ.既判力の基準時
民事訴訟の審判対象となる私法上の権利・法律関係は、時間の経過とともに発生・変更・消滅しうるので、どの時点における権利・法律関係の存否について既判力が生じるのかを明確にする必要がある。そのために存在するのが既判力の基準時である。この点に関し、当事者は事実審の口頭弁論終結時まで訴訟資料を提出することができ、裁判所もこれに基づいて判決を下すことになるから、基準...