高分子化学レポート
1.高分子とは?
高分子とは多数の原子が共有結合してできる分子である。俗に巨大分子とも呼ばれる。
一般的には原子の数が千個程度以上、あるいは分子量が 1 万程度以上であれば典型的な
高分子とみなすことができる。多数の原子を共有結合で連結できる能力をもった元素は
炭素やケイ素、酸素などに限られるので、ほとんどの高分子は炭素またはケイ素の鎖が
骨格になっている。高分子は、低分子とは異なる特徴的な性質をもち、特に固体や溶液
の力学的、熱力学的 特性は低分子のそれとは大きく異なる。
高分子の種類を大きく二つに分けると、炭素を骨格とする有機高分子とケイ素などを
骨格とする無機高分子に分けることができる。さらに、その中で、有機物ではたんぱく
質や核酸など、無機物では二酸化ケイ素などの天然高分子と合成樹脂やシリコン樹脂な
どの合成高分子に分けることができる。
2. ビッグバン直後に合成された元素から生体高分子ができるまで
高分子の誕生についてだが、まずは生物を形作っている天然高分子(生体高分子)の誕
生について述べていきたいと思う。ビッグバンから元素ができるまでについての話は省
略することにし、ビッグバンによりできた元素からどのようにして高分子ができたのか
ということに注目していきたいと思う。
約38~46億年前に地球上では、二酸化炭素や窒素、水などの無機物からアミノ酸
などの低分子有機物が合成されたと考えられている。しかし、この合成には、莫大なエ
ネルギーが必要とされるため、地球上では不可能であるとも考えられており、宇宙空間
で合成されたアミノ酸などの低分子有機物が、隕石などにより地球上に運ばれてきたと
も考えられている。そして、次にそれらの低分子有機物が結合して反応し、分子量の大
きいたんぱく質や核酸などの有機高分子ができてきた。これにより、35 億年前の地球
上には核酸とたんぱく質という生命に必要な二大要素がそろい、有機物が多量に存在す
るようになった。これらの過程が、生体高分子の誕生へとつながっていったのである。
3.合成高分子の誕生
次に、合成高分子の誕生についてだが、その時期というのは、生体高分子ができたと
きから考えるとほんの最近のことである。人間が高分子の存在自体に気づいたのが約8
0年ほど前のことであり、実際は、合成高分子の歴史はこれより古く、もっと以前から
有機化学の発展にともない、いくつかの高分子がそうとは意識されずに実験室で合成さ
れるようになった。
その頃の合成高分子は、天然高分子の代用品にすぎない面があり、大量生産の時代で
あった。その結果、プラスチックの廃棄処理や毒性、あるいはオイルショックによる石
油の値上がりなどの諸問題を抱えることとなった。しかし、今日ではこれらの問題の多
くを克服するため、天然高分子にはない新しい機能や特性を持ちかつ安全な合成高分子
の開発が行われている。高分子に幅広い応用が利くのは、高分子が非常に大きな分子な
ので、あちらこちらで折れ曲がったり、からみ合ったり、引っ張り合ったりするからで
ある。また、そのため低分子には見られない化学反応や物理現象が高分子では起こりう
るからである。
そして、さらにはそれらの高分子の特性を生かして、21世紀の社会を支える高分子
材料は、汎用の材料としてのみならず、むしろ多様な高機能をもつソフトマテリアルと
して資源・エネルギー、医療・健康などの諸問題を解決する重要な物質材料になると期
待されている。
4.機能性高分子について
機能
高分子化学レポート
1.高分子とは?
高分子とは多数の原子が共有結合してできる分子である。俗に巨大分子とも呼ばれる。
一般的には原子の数が千個程度以上、あるいは分子量が 1 万程度以上であれば典型的な
高分子とみなすことができる。多数の原子を共有結合で連結できる能力をもった元素は
炭素やケイ素、酸素などに限られるので、ほとんどの高分子は炭素またはケイ素の鎖が
骨格になっている。高分子は、低分子とは異なる特徴的な性質をもち、特に固体や溶液
の力学的、熱力学的 特性は低分子のそれとは大きく異なる。
高分子の種類を大きく二つに分けると、炭素を骨格とする有機高分子とケイ素などを
骨格とする無機高分子に分けることができる。さらに、その中で、有機物ではたんぱく
質や核酸など、無機物では二酸化ケイ素などの天然高分子と合成樹脂やシリコン樹脂な
どの合成高分子に分けることができる。
2. ビッグバン直後に合成された元素から生体高分子ができるまで
高分子の誕生についてだが、まずは生物を形作っている天然高分子(生体高分子)の誕
生について述べていきたいと思う。ビッグバンから元素ができるまでについて...