試験の目的
圧縮強度試験
ある配合のコンクリート強度を知って、所要強度のコンクリートを造るのに適した配合を選定する。
セメント、骨材、水、混和材料の材料が使用に適するかどうか調べて、所要の諸性質をもつコンクリートを最も経済的につくりうる材料を選定する。
圧縮強度から、引張強度や弾性係数等をある程度推定することができる。
コンクリートの品質を管理する。
引張強度試験
引張強度は圧縮強度のおよそ1/10~1/13ではあるが、コンクリート道路床板、水槽等の設計では特に重要である
斜め引張応力、乾燥収縮、温度変化等によるひび割れの発生を予知するため、引張強度試験が必要である。
曲げ強度試験
コンクリートの曲げ強度は、道路や滑走路のような直接曲げを受ける舗装版の設計、コンクリート管やくいなどの品質判定、品質管理に用いられる。
シュミットハンマーによる非破壊試験
構造物の健全度を判定する場合、最初に問題となるのは材料の品質である。材料が設計通りの強度を有し、ひび割れなどの欠陥が存在しているかどうかの判定を行うことになる。この場合、直接構造物から供試体を抜き出して試験すれば確実である。しかしこの方法では構造物に損傷を与えることになるし、修復費も含めて経費が多大になる。このような破壊試験法に対し、構造物から直接供試体を抜き出すことなく行う方法を非破壊試験法と呼んでいる。
ここでは実施コンクリートの強度を表面硬度方法の中で現在広く用いられているシュミットハンマーにより推定する。
実験方法
使用機器
供試体製造用円柱形型枠
供試体製造用直方体形型枠
突き棒(直径16mm、長さ50cmの丸棒)
ノギス(読み取り限度0.25mm)
圧縮試験機(JIS B 7733)
曲げ試験装置 図1に装置の一例を示してあるが、これには次の条件を満たす必要がある。
3等分点加重を鉛直に、しかも偏心しないように加えることができる。
安定よく供試体を設置でき、しかも十分な剛性がある。
図1 曲げ試験装置
シュミットハンマーN型
研磨石
スケール
その他、ハンドスコップ、金こて、木づち、チョーク、キャッピングペースト用鉢とさじ、コンクリート練混ぜ装置一式
試料の準備
ⅰ圧縮強度試験
供試体は直径の2倍の高さを持つ円柱形とし、その寸法は、粗骨材の最大粒径に応じて、表1のように定められている。
表1 円柱型供試体の寸法
粗骨材の最大寸法 直径 高さ 50mm以下 標準供試体使用のとき 15cm 30cm 直径15cm未満のものを使用のとき粗骨材 直径の2倍 最大寸法の3倍以上かつ10cm以上 50mm以上 粗骨材最大寸法の3倍以上 直径の2倍
型枠の継ぎ目に油土、又は固いグリースを薄くつけて組み立てる。型枠内面には鉱物性の油を塗る。
コンクリートを3層に分けて詰め、上面を軽くならして突き棒で締め固める(表2を参照)。このとき、3本の供試体を並べて1層づつ固めていく。締め固めが終わったら、棒のあと穴が残らないように型枠の側面を木づちで軽くたたく。
表2 締固め方法の標準
供試体寸法 突き棒 棒形振動機 層数 各層の突き固め数 層数 各層の突き固め数 φ15×30 3 25 2 3 φ10×20 2 11 2 1 注)突き固め回数は突き棒で1回/7cm2、棒形振動機で1回/60cm2を標準とする。
キャッピングの厚さはでき上がり2~3mmとなるよう、コンクリート表面を型枠端面よりわずかに下げておく。
コンクリート打ち込み後(硬練りで2~6時間以後、軟
試験の目的
圧縮強度試験
ある配合のコンクリート強度を知って、所要強度のコンクリートを造るのに適した配合を選定する。
セメント、骨材、水、混和材料の材料が使用に適するかどうか調べて、所要の諸性質をもつコンクリートを最も経済的につくりうる材料を選定する。
圧縮強度から、引張強度や弾性係数等をある程度推定することができる。
コンクリートの品質を管理する。
引張強度試験
引張強度は圧縮強度のおよそ1/10~1/13ではあるが、コンクリート道路床板、水槽等の設計では特に重要である
斜め引張応力、乾燥収縮、温度変化等によるひび割れの発生を予知するため、引張強度試験が必要である。
曲げ強度試験
コンクリートの曲げ強度は、道路や滑走路のような直接曲げを受ける舗装版の設計、コンクリート管やくいなどの品質判定、品質管理に用いられる。
シュミットハンマーによる非破壊試験
構造物の健全度を判定する場合、最初に問題となるのは材料の品質である。材料が設計通りの強度を有し、ひび割れなどの欠陥が存在しているかどうかの判定を行うことになる。この場合、直接構造物から供試体を抜...