2017年 佛教大学 異文化理解(西欧)のレポートです。
EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。
EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。またそれがもつジレンマとは何か。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。
EUとは何かと言われたら、一言で言うことは難しいが、単純に言えば、ヨーロッパの各国を統合して「疑似単一市場・疑似単一国家」を作ることである。そのために、単一通貨を導入し、関税を廃止し、人の移動を自由にした。
その結果、そこに住む人にとって、ユーロ圏の移動の簡易化や単一市場によって、製品の品質向上や低価格化が実現した。携帯端末通話料やインターネット接続料、航空運賃の価格も下落した。
勿論、EUの競争力が高まったことで、EUの製品をEU外の人々も享受することが出来る。またその強大な影響力を持って、途上国へ援助を行ったり、世界各国に対して、平和と安定に貢献している。いわゆる、自由化(主に市場の自由化)によって、各業界の効率化が進んだことが、メリットであろう。
しかしながら、そのEUが同時にジレンマを抱えていることは事実である。それは経済のジレンマと文化・民族のジレンマの2つに分けられるだろう。
まず、経済...