2016年度版(2017年度)適用の資料です。
簡潔にまとめてます。
設題は「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べてください。」になっております。
テキスト『教育の比較社会学[増補版]』学分社
「第1設題」
学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べてください。
これまで日本では、学歴社会はあまりいいイメージをもって語られることはなかった。「受験地獄」や「偏差値輪切り体制」などという言葉とともに用いられ、その人間が内面的に持つ「本来の資質」を考慮せずに、うわべの「勉強ができるかどうか」だけでその人間を「評価」する理不尽かつ非人間的な社会として語られることが多かった。その背景として、今この現実に一流大学を卒業し一流企業に就職をした人間がリストラや倒産などで職を失う事態が頻繁に生じている。更には、汚職やセクハラなどで職を追われるケースも多々見られる。さてここで、学歴社会とよく混同される言葉に高学歴社会がある。では、高学歴社会とはいったい何なのか。高学歴社会とは単に「高学歴者の多い社会」を意味する言葉である。具体的には、高校卒業後の高等教育機関への進学率が50%を超える社会であるとされる。日本はアメリカ、カナダと並び、数少ない高学歴社会のひとつでもある。一方、学歴社会とは、...