佛教大学の通信教育過程でのレポートになります。
設題は「学歴低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのような関わりをもつかについて述べてください。」になります。
テキスト『教育の比較社会学[増補版]』学分社
「第2設題」
学歴低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのような関わりをもつかについて述べてください。
今日の日本において、学力低下に関する議論が盛んに行われている。もちろん、学力低下自体は昔から様々な形で繰り返し議論されてきたことであり、目新しいことではない。ではなぜ、今もなお議論が盛んに実施されているかというと、具体的な国際比較や時系列的データが示され、教育現場に携わる関係者の実感に非常にフィットしたことがこれだけの論争を呼ぶきっかけになったと考える。「低下」という言葉自体、マイナスのイメージであり、学力低下よりも学力向上の言葉のほうが望ましいことである。この問題の最たるものとして「大学レジャーランド論」、「青年総休暇村論」、「高等保育論」などといった大学生の学力低下が挙げられる。ここでいう学力低下とは、ペーパーテスト等で数値化される可視的な低下を意味し、大衆化の必然的な帰結であった側面もある。要するに、以前と比較し教育機関が開かれ、これまでに大学に入れなかった層が大学生になることにより、学力の低下が引き起...