寝たきり予防と閉じこもり・転倒の位置づけ
20世紀後半、我が国の平均寿命は著しく延長し、増大する後期高齢者層において、加齢や高齢者特有の心身機能の低下に伴う生活機能低下の問題が顕在化した。実際、寝たきりの出現率は前期高齢者と比較しても極めて高い割合を示しており、いかに高齢期を健康で自立して生活するかに関心を集めてきた。
寝たきり予防の取り組みは1960年代から行なわれていたが、当初は、寝たきりのほとんどは脳卒中が原因であるとされてきた。その後、他の疾病による機能障害にも目が向けられ、機能訓練や訪問指導事業として発展、1989年、ゴールドプラン(「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」)によって、...