日大通信 社会科・地理歴史科教育法Ⅱ 分冊Ⅰ

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    資料紹介

    分冊Ⅰ 戦前の国定教科書登場の背景について述べよ。

    キーワード:自由発行→検定→国定・「国のあゆみ」 ザブトン型からパイ型学習



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    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    日本の教科書の歴史をさかのぼると、古代は宗教の経典、中世には古典や典籍、書簡集などがその役目を果たしてきた。近世に入り寺子屋が普及すると従来の物が子供用に作成され使用されるようになり、版本が普及したことにより急速に一般化した。現在の子供達が使用する教科書は、明治5年に発布された学制によって全国に学校が設置され、近代の教育制度が導入された後に発展と拡大がされていった。

    1872年の学制以降の近代教育体制の明治初期から10年代を通じ、自由民権運動の高揚とも重なり、この時期は国家主義的色彩が濃い歴史教育ばかりではなかった。福沢諭吉の「西洋事情」や「学問ノススメ」のような文明開化の書物が漢籍や従来物に代わって登場した。国語、修身、国史といった教科の区別は特にない読物で政府の検定もなく、教育制度の未整備とも重なり、この段階では小学校教科書も含めて自由発行とされた。文明開化の風潮がようやく思想的なものに深まってきたように思えたが、日本の教科書は日本の生活や文化に根ざしたものでないといけないという復古的な思想も目立ち始めた。教科書も欧米心酔か伝統保守かの対立が起こり、明治13年に政府は初めて民間の...

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