テキスト『道徳教育の基礎』佛教大学
「第1設題」
「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
テキスト『道徳教育の基礎』佛教大学
「第1設題」
「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
今日、人種差別、安楽死、妊娠中絶、妊娠の外部委託といった現代世界を覆う無数の困難の奥には、道徳、倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きていくことはできない。そこで「人間にとって道徳がなぜ必要なのか」について考える。道徳とは何かについて「辞典」ではどのように規定されているかについて、大辞林では、「ある社会で、人々がそれによって善悪正邪を判断し、正しく行為するための規範の総体。法律とは違い外的強制力としてではなく、個々人の内面的原理として働くものをいい、また宗教と異なって超越者としての関係ではなく人間相互の関係を規定するもの」と述べられており、また、広辞苑では「人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、あるいは成員相互関の行為を規制するものとして、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力に伴うものでなく、個人の内面的なもの」と述べられており、法律に拘束されないが、人間としての生きる道であり、人それぞれの内面の中に存在す...