2017年度B判定のリポートです。リポート作成の参考にご活用ください。
ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
はじめに
古代ギリシアの哲学者であるソクラテスは独自の哲学思想を持ち、街頭での対話などを通してその思想を広めていった。彼の思想に共感し、プラトンなどの若者が弟子として集まる一方で、その思想は当時のアテナイの街で活躍していたソフィストと対立するものであり、彼の活動を苦々しく思っていた人々も多くいた。そして最期には「青年を腐敗させ、国家の認める神を信ぜず新しい神を信じた」という罪状でソクラテスは死刑にされてしまう。当時のギリシアでは受け入れられなかった彼の思想ではあるが、その主張はある種の真理を述べており、現代の教育にも通じるものがある。このリポートでは、まずソクラテスと同時代のソフィストの思想を整理し、次にそれと対立したソクラテスの思想をまとめることで、ソクラテスの教育観がどのように現代の教育で活かされているのかについてその教育学的意義を明らかにしていく。
ソフィストの思想
ソフィストとは当時、青年たちに知識や弁論術を教えていた職業教師のことである。彼らの主張の中でも特に有名なものがプロタゴラスの「あらゆるものの尺度である...