国学の歴史と日本文学研究の歴史を調べ、その類似点と相違点、および、問題点についてまとめよ。
まず、国学の歴史について述べる。
国学は、和歌を中心とした文学の革新運動から始まった。国学者たちはそれまでの学問は儒教や仏教の古典を中心に研究をしていることを批判し、古代の日本にあった日本独自の文化や思想を明らかにしようとした。
国学の源流は江戸時代初期に現れていたが、国学の創始者として知られているのは、江戸時代中期に活躍した契沖である。彼は真言宗の僧侶であったが、『万葉集』の注釈書である『万葉代匠記』を著した。その中で契沖は「此の集を見るには、古の人の心に成りて、今の心を忘れてみるべし」と、実証主義的な姿勢を示している。『万葉代匠記』は古典研究において非常に高く評価され、のちの国学研究者たちに影響を与えた。
次に、京都の伏見稲荷の神官であった荷田春満は神道や古典から古道の解明を試みた。これは「古道説」と呼ばれる。
これに続くのが、賀茂真淵である。彼もまた、神職の家の出身であるが、三十七歳のとき、京に上って荷田春満の門下に入った。その後、江戸に出て、古代文学の中に日本固有の道を求めようとする国...