「中学校国語科」と「高等学校国語科(特に「国語総合」を中心に)」の「目標と内容」について今日的動向なども踏まえて解説しなさい。
まず、国語科教育における今日的動向について述べたい。
平成20年に出された中央教育審議会答申において、「7,教育に関する主な改善事項」の第一番目に「(1)言語活動の充実」が挙げられている。ここでは、「国語科においては、言語の果たす役割に応じ、的確に理解し、論理的に思考し表現する能力、互いの立場や考えを尊重して伝え合うことを重視する(中略)各教科等においては、このような国語科で培った能力を基本に、知的活動の基盤という言語の役割の観点からは、(以下略)」と述べられている。このことは、つまり、「言語活動の充実」が各教科等にわたってなされ、中核に国語科が位置しているということを意味している。
では、言語活動を充実させるに至った経緯を見ていこう。平成16年の文化審議会答申「これからの時代に求められる国語力について」の中の「2 社会全体にとっての国語」で述べられている事柄を参考にすると、「国語」は「あらゆる教科の様々な学問の基盤」として位置づけられているということがわか...