日本文化論
課題Ⅰ
谷崎潤一郎の映画論
映画は今日、我々にとって様々な感覚や感情を生み出してくれる欠かせないものとなっている。最近の映画では自分の現実から離れた描写や設定でありながら、まるで自分の身に起こっているかのような錯覚を与えてくれ、物語の世界にすいこまれていうような作品が多い気がする。それは写実性にはしり、現実そのものを映画にする事はかえって難しいことなのかもしれない。
長い間、日本の近代文学は作家の私生活をえがいたり、人生をいかに生きるべきかを追求する様子を読者に提供するような私小説などの考え方が一般的であった。このただ単な私小説ではなく、谷崎のような作品を授業を通して気になりだした。私の映画に対する考え方はその映画の内容ではなく雰囲気である。ただ暗闇の中の光の中で、観客はその光の世界に虜になり、そこに音声が加わることによって単なる映像の連続からドラマへと変化しているのだ。単なる小説であれば文字による説明や自分の想像力によって感動もできるが映画は映像を見れることの楽しみがあるし、物語を語る上では小説と決定的に違うものだ。谷崎純一郎による作品はそのとき思想がないとしてあまり評価...