高齢期における、加齢に伴う記憶および知能の変化についてまとめた上で、それらの変化を理解する上で必要な留意点をまとめた内容
高齢期における、加齢に伴う記憶および知能の変化についてまとめた上で、それらの変化を理解する上で必要な留意点をまとめなさい。
最初に記憶について説明をする。記憶には、注意を向けられた情報を記憶する感覚記憶、一時的に感覚記憶から送られてきた情報を記憶する短期記憶、短期記憶から送られてきた情報を分類・体系化して長期で貯蔵する長期記憶の過程で成り立っている。この長期記憶には、個人的体験や生活史などのエピソード記憶と一般的な知識や学習によって獲得した能力などの意味記憶と呼ばれる宣言的記憶や実際に行動してみることで獲得した個人技能などの手続き記憶がある。またそのほかの記憶として、意図的に覚えていて意思を持って思い出そうとする顕在記憶、自覚していないのに、無意識的に呼び起こされる潜在記憶、今よりも将来(未来)についての展望記憶、個人の過去で本人に直接関わりが無い出来事についての遠隔記憶、記憶に関する本人の自覚のメタ記憶がある。
この記憶の分類の中で高齢期における加齢に伴う変化として、感覚記憶や短期記憶が低下すると考えられていたが、病的な記憶障害、例えば認知症などでない限り目立った低下はないとされて...