最初に、高等学校における商業教育の必要性は「学校教育における必要性」、「専門学科における必要性」、「普通科及び総合学科における必要性」の3つに大別できる。
初めに「学校教育における商業教育の必要性」について説明する。現代社会に生きる我々は様々な産業を基盤にして生活を営み、多くの人々がその産業の一員としてその充実発展に大きな役割を果たしている。このような産業を支え、さらに発展させ、人々にとって豊かな社会を築き、経済的にも精神的にも豊かな生活を営むことができるよう、一人ひとりの生き方を高めるうえで教育の役割は重要な責務を担っている。ここで、学校教育をとおして読む力や書く力、計算する力など様々な力を養うとともに、これらの力を活用して、現代社会を支える産業と自らが社会に貢献するために最もふさわしい分野に関する知識や技術を身に付けることは非常に重要なことである。またそのための教育は、児童・生徒などの発達段階に応じてすべての教育段階において適切に行われることが望ましい。その意味からも商業教育は学校段階の一分野として大きな意義を有する。また、現在の若者は、無業者数などの増加から「学校から社会・職...