2016年度合格レポートです。
ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ
ソクラテスは真の知を獲得するために、他人と共に研究することが重要と考えた。
つまり対話しあうことが知への道であり、また最も有効な教育方法でもあると考え
られた。「彼はアテナイの町を我が家とし、対話を唯一の手段として彼の教育活動
に従事した。他の人々との交通において初めて彼の精神は生命を感じ、会話のない
生活は彼にとって生活ではなかった。内からの衝動に駆られてのように彼は談話し、
この強制を他の人々にも感じさせ、彼らに対話を強要し、或る終結に達するまでは
彼らを離さなかった。」ソクラテスの対話術は、一般に産婆術と呼ばれている。
ソクラテス的対話の教育学的意義を以下に述べる。
我々の道徳的知識は教師が外面的に教えて学習者の身につくものでは決してない。
「彼にとっては知識はそれを所有する者からそれを所有しない者へ手渡しされる商
品の如きものではなく、人々が彼らのうちに既に有する或る物である」。「ソクラ
テスは、・・・決してある出来上がった知識を青少年の心の中に注入するのではな
い。あくまで自分もまた無知者として臆見にくらまされている...