日大通信 平成29~30年度 租税論 分冊2 合格レポートです。丸写しはせず参考程度に利用下さい。
20 × 10
アダム・スミスとワグナーの租税原則論を
比 較 説 明 す る 。
イギリスの経済学者で、「国富論」や「諸
国民の富」の著書であるアダム・スミスの第
一原則は、公平の原則である。「あらゆる国
家の国民は各人の能力にできるだけ比例して、
いいかえれば彼らがそれぞれの国家の保護の
もとに享受する収入に比例して、政府を維持
するために貢納すべきものである」
第二原則は明確の原則である。「各個人が
20 × 10
支払う義務を負う租税は、確実でなければな
らない。つまり恣意的であってはならない。
支払い時期、支払い方法、支払金額のすべて
は貢納者にも他のあらゆる人に、明白で平易
なものでなければならない」。アダム・スミス
は、恣意的な徴収は徴税者と納税者との間に
支配関係を作り出すという。すなわち、それ
は封建的貢納となる。近代国家における租税
とは、法をもって確実に定めて、専断的にな
らないことが必要である。
20 × 10
第三原則は便宜の原則である。「あらゆる
租税は貢納者がそれを支払うのに恐らく最も
多くの便宜がある時期...