西洋の道徳思想についてのべよ。
Ⅰ.古代哲学創盛期~アテナイ盛期の道徳思想
ソクラテス以前は、プロタゴラスに代表される職業教師(ソフィスト)たちにより行われた教育は、政治的知識の教授から、次第に「詭弁」に変わった。ソクラテスの登場により、道徳教育は大きく変わる。問答により人間は何も知らないという「無知の知」を自身で気付かせる「産婆術」が行われた。人間がいかに生きるべきかを問うた最初の哲学者という点で、とても重要である。プラトンは、徳は教えられるかという主題を扱い、真の知をどのように得るかという答えを求めた。彼にとっての教育とは、魂に知識を注入する(教える-学ぶ)ことでなく、真実の世界を認識する...