子どもの心を知ることについて述べよ。
1.観察とは
保育は人と人、人とものとの応答的なかかわりである。保育者は子どもの心を知ろうとする努力が常に求められる。子どもの心を知ろうとする、つまり子どもを理解することは保育をする上で欠かすことはできない。そのため、意図的であってもなくても、一つ一つの働きかけに対して何らかの反応が見える、もしくは内面の変化として現れている。このように考えると、保育は目に見えることと、その反応の背景にある行動を瞬時に感じ取り、子どもの姿として絶えず、とらえていかなくてはならない。観察とは、見えるものだけでなく、見えないものをも洞察する視点を持つことである。
一般的に、観察とはありのままの姿を注意深く見ることであり、保育における観察とは、森上らによると、「対象の外面にあらわれるありのままの行動を観察、記録し、対象者の内側までも洞察する」とされている。
すなわち、保育の対象である子どもたちの姿や様子を単に把握する、見ることだけが観察ではなく、場面を特に限定せず、目に見える子どもの行動と内面の心のありよう、行動の意味や前後の背景をも読み取る洞察力こそが観察なので...