2019~2022年度 日大通信 イギリス文学史Ⅰ 課題Ⅰ の合格レポートです。合格したばかりですので、参考としてのご利用とし、丸写しはご遠慮ください。
課題:中世英文学において代表的な作家5人を取り上げて,彼らの生涯,代表作およ び文学史上の重要性を論述しなさい。
講評:中世英文学を代表する作家として5人をきちんと認識しており、彼らの活動や作品が当時の言語や文学、社会にどのように影響を及ぼし貢献してきたのかをしっかり捉えてそれぞれの特質を丁寧に説明している。テキストの記述内容を咀嚼して自分で調べた情報をまじえながら、自身の言葉でまとめ直している点にとても感心した。
参考文献:日大教材、「ウイリアムの見た農夫ピアズの夢」生地竹郎、「カンタベリー物語(全訳)」チョーサー作、笹本長敬訳
イギリス文学史Ⅰ 課題Ⅰ
中世の英文学を代表する作家は、まずWilliam Langland、Geoffrey Chaucer、John Gowerの3人が挙げられる。Langlandが純粋にアングロサクソンの伝統を継承したのに対して、ChaucerとGower
は多分にヨーロッパ大陸の息吹を受け、それを栄養として成長した。
初めにLanglandについて述べる。Langlandはモルヴァンのベネディクト派修道院の学校で教育を受け、下級僧侶となった。大変貧しかったが自尊心が強く、貴族や金持ちに決して頭を下げず、彼らの道徳的腐敗を批判した。代表作の「The Vision of Piers Plowman」は風刺的寓意詩であり、その点ではダンテの「神曲」やバニヤンの「天路歴程」と同様である。中世の封建社会が次第に矛盾を露呈してきた第十四世紀後半の社会に対する痛烈な風刺がある。その風刺は、当時の法曹界と宗教界の腐敗を論じたり、暴露したりはするが、既存の制度や教義を変革すべきとは言っていない。Langlandにとって社会救済の唯一の方法は、まじめな勤労とキリストに仕えることであった。作品...