言語を獲得する事は、人間として生きていくための重要な課題である。その機能は、①コミュニケーションの手段としての機能、②認知の手段としての言葉、③行動をコントロールする手段としての言葉、④自己表現の手段としての言葉の4つに分類される。また、自我の形成にも言葉は中心的な役割を果たしている。そのため、言葉を獲得する過程において、発達の全ての面に影響する大きな成長を遂げるのである。
<言語を育てる人的環境>
幼児期という最も重要な時期において、その一日一日を意味のあるものにするには、よい環境作りが大切である。中でも、影響が大きいのは、母親と保育者である。日常生活の世話をしながらの、温かく絶え間ない応答が言葉の習得の源泉となっているのだ。また、大人同士の会話、保育者と親との会話などは、子どもにイメージを形成させ、思考力を育てていくとともに、一番身近な言葉の手本となる。その手本は、子どもの言語を習得していく土台となるものなので、正しく丁寧なものであるべきである。幼児に関わる身近な大人は、自分が言語環境そのものであるという事をよく理解しておかなければならない。
<言語の発達を支える条件>
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