民法 3 2018年度
第1課題
「債権の目的」に関連する次の概念について、それぞれ 300 字程度で説明しなさい。
(1)特定物債権と善管注意義務
特定物の引渡しを目的とする債権を特定物債権という。また、給付の内容が特定物の
引渡しに尽きる場合のみを意味するわけではなく、特定物の引渡しを含む債権一般を意
味する。贈与、売買、使用賃借、賃貸借、寄託、請負のような契約関係から生ずる可能
性がある。
特定物債権の債権者は、目的物を引渡すまでは、善良なる管理者の注意をもってその
物を保存しなければならない(民法400条)。これを善管注意義務という。具体的に
は、契約の種類・目的物の種類と性質・債務者の業務内容・債権者のおかれた状況など
を総合的に考慮して個別に判断される。
(2)種類債権の特定
種類債権においては、同種の目的物が市場に多数あるが、履行の段階では債務者の給
付すべき対象物が具体的に定まっていなければならない。また、債務者の立場から見て、
実際に弁済がなされて債務が消滅するまで、その種類物が市場に存在する限り履行不能
とはならず、常に調達義務を負うということにより酷...