姫路大学通信教育課程『臨床医科学Ⅱ』の合格済みレポートです。
「細胞の損傷とその対応について説明しなさい。」
設題1
細胞の損傷とその対応について説明しなさい。
細胞は、様々な内因・外因によって損傷を受け、その形態や機能に変化をきたす。主な原因は、循環
不全などによる酸素欠乏、感染症、怪我や熱・放射線などの刺激、中毒、免疫異常、遺伝的異常、栄養
障害、老化、などである。この内、細胞損傷の原因として最も多くみられるのは酸素欠乏である。酸素
欠乏が起こると、呼吸をつかさどる細胞小器官のミトコンドリアが障害を受けるためエネルギーの供給
ができなくなり、種々の代謝系が障害される。
一般に私たちの身体を構成する細胞は、限られた回数しか分裂・増殖できない。この状態を細胞老化
といい、これを決める要因となる真核生物をテロメアという。テロメアの長さは細胞分裂ごとに短くな
り、一定の長さになると細胞は分裂できない仕組みになっている。
このように個々の細胞は常に外部からの刺激にさらされているが、細胞に与えられる外部の刺激が慢
性的なものである場合は、特定の範囲の中で適応することができる。細胞の適応にあてはまる現象には、
次の4つのものが存在する。
1つ目は萎縮である。萎縮とは、一度成熟した臓器や組織の容...