「漢文」とはどのような文体か、その定義を具体的に述べよ。
2018年度A判定
「漢文」とはどのような文体か、その定義を具体的に述べよ。
私が想像する「漢文」のイメージとしては、中学校や高校の国語の授業で学習した
韓非子の『矛盾』や、杜甫の『春望』など、漢字だけで構成される中国の文章であり
、訓点がついているものも漢文として認識してきた。
そこで、「漢文」を新村出『広辞苑 第七版』で引くと、「①中国古来の文章・文学
。現代中国語文に対していう。②日本で、①にならって書いた、漢字だけの文章。変体
漢文を含んでもいう。」と定義されており、また「漢文体」は、「文章が漢文になっ
ていること。また、漢文訓読の口調にならった文体。」と記されている。また、佐藤
喜代治『国語学研究辞典』によると、漢文について、「中国の文語の文法に従って書
かれた文章を日本で漢文と呼ぶ。」とされている。私のイメージする「漢文」と実際
の「漢文」との違い、また上述の「漢文」について具体的に考察し、以下に述べる。
まず、漢文はいつごろ日本に渡来したものであるか、どのような歴史があるのか、
述べていく。漢字・漢文が日本に渡来した時期について、『日本書紀』には応神天皇
の時代、百済から阿直岐...