日本文学における「漢文」の特長を概説せよ。
2019年度合格
日本文学における「漢文」の特長を概説せよ。
①「漢文」の定義
「漢文」とは、『旺文社 国語辞典第九版』より、①中国(特に漢・唐宋代)の文
章・文学。②日本人が①にならって書いた漢字だけの文章である。また、新村出『広辞
苑 第七版』では、「①中国古来の文章・文学。現代中国語文に対していう。②日本で
、①にならって書いた、漢字だけの文章。変体漢文を含んでもいう。」と定義されてい
る。ただし、日本でいう「漢文」と中国でいう「漢文」とでは意味が違っている。「
漢文」「漢語」などの「漢」は、中国では「漢代の」または「漢民族の」といった限
定的な意味であるが、日本ではそれを広く「中国の」という意味に用いている。つま
り、私たちが一般にいう「漢文」とは、中国の古典的な文章・文学(特に漢・唐宋代
)で、中国で書かれたものおよび、日本人がそれに倣って書いたものも含むのである
。また、私たちが学校で「漢文」を教わる際には、中国語ではなく日本語の音読みを
用いる。このことからも、私たちが使う「漢文」は日本製の言葉であることがわかる
。
②漢字と「かな」
日本人が文字で言語を記すことを学び知るのは...