2020年度 宗教史 合格済みリポート
課題名:『宗教学の名著30』の第七章,バフチンのドストエフスキー論と、第四章、ブーバーによる我、他者論を、互いに関連づけながら、まとめよ。
そのままの提出はお控えください。
設題:『宗教学の名著 30』の第七章,バフチンのドストエフスキー論と、第四章、ブーバー
による我、他者論を、互いに関連づけながら、まとめよ。(3200 字)
序論
本リポートでは、次に示す順序で設題に答えていくこととする。まず、バフチンの主著
である『ドストエフスキーの詩学の諸問題』(以下『ドストエフスキー論』と記載)から見
える、バフチンの我、他者論について、島薗の『宗教学の名著 30』や亀山の『100 分 de 名
著 ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟』を参考にしながらまとめていく。次に、ブ
ーバーの我、他者論についても同様に上述の『宗教学の名著 30』を参考にまとめ、互いの
共通点や相違点について、比較考察を行いながらまとめていく。
本論
⑴バフチンの我、他者論について
バフチンは自己意識の在り方について「一つの『信仰』」(p.272)と述べている。その一
方で、ドストエフスキーの小説を例に出し「キリストへの信仰によって、対話的な関係の
外にいて意識し、判断する『自我』というものが保証されるわけではない」(p.274)と述
べ、単なる信仰だけでは自我の確立は難しいこ...