【概要】
司法福祉分野に社会福祉士が必要とされるようになった理由を受刑者の動向を踏まえて論じる。
【目次】
1.検挙者・再入者・受刑者の動向
2.社会福祉士の必要性
【引用・参考文献】
①新・社会福祉士養成講座20 更生保護制度 中央法規出版
②平成30年版 犯罪白書
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/65/nfm/mokuji.html
③研究部報告37 高齢犯罪者の実態と意識に関する研究―高齢受刑者及び高齢保護観察対象者の分析―
http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00014.html
④研究部報告52 知的障害を有する犯罪者の実態と処遇
http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00072.html
⑤研究部報告56 高齢者及び精神障害のある者の犯罪と処遇に関する研究
http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00091.html
1.検挙者・再入者・受刑者の動向
近年の知的障害、人格障害、神経症性障害又は精神作用物質使用による精神及び行動の障害、統合失調症、気分障害等を含むその他の精神障害(以下、精神障害者等)の検挙者の動向を確認すると、平成29年における精神障害者等による刑法犯検挙人員(罪名別)では、検挙人員総数215,003人に対して、精神障害者等は、3,260人であり、1.5%を占めている。罪名別の精神障害者等が占める割合は放火18.7%、殺人13.4%、強盗3.8%、脅迫3.1%と大きく全体における比率を上回っているものもある。「高齢者及び精神障害のある者の犯罪と処遇に関する研究」において、再入者率について、知的障害を有する者(65.0%)、知的障害以外の精神障害を有する者(68.4%)のいずれも、精神障害のない者(58.1%)よりも高く、また、再入者の前刑出所後の再犯期間が6月未満の者の割合も精神障害がない者に比べて高いことも指摘されている。
また、「高齢犯罪者の実態と意識に関する研究―高齢受刑者及び高齢保護観察対象者の分析―」では高齢者の刑法犯検挙人員に占める割合の増加を示し、さらには高齢の受刑者...