B評価
設問2について、前半と後半の比較、窃取についての記載があるとなおよいとのコメントあり
設問1
判例・通説では、窃盗罪の主観的要件として、故意の他に不法領得の意思が必要とされ
ている(最判昭和 30 年 9 月 27 日集刑第 108 号 619 頁など)。不法領得の意思は、判例にお
いて、「権利者を排除して他人のものを自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利
用もしくは処分する意思」と定義されている(大判大正 4 年 5 月 21 日刑録 21 輯 663 頁)。
この前半部分は、「権利者排除意思」とも呼ばれ、他人のものを無断使用する意思で取って
も、実質的に他人の所有権を尊重する意思であれば、領得意思が欠け、窃盗罪は成立しな
いとされており、後半部分は、「利用意思」とも呼ばれ、窃盗罪と毀棄隠匿罪を区別する機
能を有し、単なる毀棄、隠匿、放棄の意思しかない場合は、窃盗罪にはならないことを意
味している。
既に述べたように、判例・通説では窃盗罪の成立には構成要件的故意の他に、不法領得の
意思が必要であるとしている。これは、一時使用および毀棄隠匿罪を可罰的な窃盗罪の範
囲から排除し、一時使用を不可罰とし、毀棄隠匿罪を窃盗罪と区別することが目的である。
窃盗罪は財..