中央大学法学部通信教育課程法学部の法学の課題で出されたものです。
中央大学法学部通信教育課程 法学
【第4課題 法適用の段階についてしかるべき事例を取り上げて論じなさい】
法は、原則として一般的・抽象的な規範であるから、その効果を実現するために、具体的事実に当てはめて運用しなければならない。
法の適用は、事実の認定と法の解釈という2つの段階を経て行われる。
まず第1に、事実の認定とは、生活関係において生じた具体的事実を確定することである。第2に法の解釈とは、確定された具体的事実に当てはめるべき法を見出し、具体的妥当性を持つ法的判断を導く手続きのことである。
刑法第199条を例に挙げると、人の死亡という結果において、実際は傷害によって死亡するにいたったのではないかどうか(刑法205条)、犯人の過失によるものかどうか(刑法210条)などの点について検討し、こうした場合に該当しないときに、確定された事実に当てはめるべき法として刑法第199条が発見されることになる。そして、犯人の故意に基づく行為によるもの、すなわち「人を殺した者は」という刑法第199条の要件に該当するとの判断がなされ、同法が適用される。
このように適用されるべき法が解釈されると、次に事実に...