証券市場論1

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    証券市場論1
     株式会社の起源は、17世紀イギリスの東インド会社であり、株主の責任は無限責任であった。しかし、18世紀後半から19世紀前半にかけての産業革命は、大規模な設備投資を招来し、それゆえ広範な層から資金調達をする必要性があった。それには、株主の有限責任と株式の自由譲渡性を有する株式会社制度の発展が不可欠だった。
     さて、公開企業とは、証券取引所に株式を上場している企業をいう。なお、東京証券取引所の場合、上場するには一定の上場基準、例えば株主数・時価総額・利益の額等を満たしている必要がある。また、これらの要件を満たしていても、敢えて上場を選択しないファミリー企業もあり、著名な会社としては、竹中工務店、ヤンマー、矢崎総業等が挙げられる。
    では、株式を所有している者、すなわち株主と公開会社との関係については、どう考えたらよいであろうか。一つには、企業を株主のものと考えず、企業は「社会的に人格が与えられたもの」であり、企業は自身の利益極大化や自己資本自己金融に努めるという考え方がある。他方、株主は、企業の経営権の一部を所有しているが、名目上のものに過ぎず、実際は経営者によって全て経営が...

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