明星大学通信教育部 PA3040(2019年~)教育行財政1、2単位目の合格レポートです。
[科目概要]
国家行政の一作用としての「教育行財政」について、その歴史的沿革を踏まえながら、どのような制度的枠組みの中で成り立っているのか、その基本的構造の特質を明らかにする。
このため、教育行財政の基本的事項について幅広く取り上げることとし、、具体的には我が国公教育制度の成立と発展、国と地方における教育行政と財政の基本的仕組み、学校制度や就学制度、学校の組織編制と管理運営、教職員の身分と服務、学校評価と公開、地域の参画などの現状と課題を明らかにし、今後の教育行政の方向性、あり方について講義する
[学習上の目標]
■科目の到達目標
現代公教育制度の意義、役割および機能について基本的な理解を得させるとともに、国と地方の教育行政・学校経営の仕組み、学校制度の基本的枠組み、学校の組織編制と管理運営、教育課程管理、生徒指導の在り方など、教育行政と学校経営に関する総合的な知識と理解を深めさせる。
■科目の学習要点事項
1教育行政の基本構造とその特質
2憲法26条「国民の教育を受ける権利」
3教育基本法制定のねらいと改正の趣旨
4教育行政における国を地方の役割分担
5教育財政の仕組み
6我が国の学校制度と就学制度
7学校の管理運営についての教育委員会と学校の責任分担
[参考文献]
最新 教育法の基礎 樋口修資著 明星大学出版部
現代の教育改革と教育行政 小川正人著 放送大教育振興会
概説 教育行政学 平原春好著 東京大学出版会
教育小六法 市川須美子他著 学陽書房
[レポート課題]
【注意:各単位ごとに2問中1問を選んで、課題番号と課題を記入してレポートすること】
選択番号1
教育行政における国(文部科学省)と地方(教育委員会・学校)との役割分担は戦前と比して、どのように変化してきたかその概要をまとめなさい。
[レポート解説]
この課題については、テキスト第3章「教育行政の組織と役割分担」の内容を参考にしてい、戦前における教育行政の国家主義的・中央集権的構造が、戦後どのような理念の下に転換が図られたか考察する。
1.教育行政における国(文部科学省)と地方(教育委員会・学校)との役割分担は戦前と比して、どのように変化してきたか、その概要をまとめなさい。
戦前と戦後で教育行政の体制は大きく変わった。教育行政における国(文部科学省)と地方(教育委員会・学校)との役割分担が戦後どのような理念の下に変化いてきたかを論じる。
戦前の教育行政は専ら「国の専務」として位置づけられ、地方では府県知事及び市町村が国の教育事務を執行していた。戦前の理念として教育は本来、国の事務であり、市町村は国からの委任によってその事務を負う責任があるものとされた。そして府県立、市町村の学校であっても、学校は国の営造物であると観念され、「国の官史」扱いとされていた教職員が国の任命により学校に配布され、その運営は国が地方長官(知事)を通じて管理する体制が取られた。市長村長は、学校の管理にあたり、求めに応じて意見を述べる機関として学務委員をおいた。地方公共団体は学校を設置する設置者であっても、学校の物的施設の維持管理(物理管理)等教育の「外的事項」の責任を負うのみであった。一方国は教育内容などの「内的事項」の責任を負うとともに、職員の...