慶應義塾大学通信教育課程
総合教育科目「歴史(東洋史)」の合格レポートです。
レポート課題:1.永楽帝の権力掌握過程について述べよ。
あくまでもレポート作成の参考としていただき,コピペによる流用はなさらないようにお願いします。
新・歴史(東洋史)
設問1.永楽帝の権力掌握過程について
はじめに
明の太祖洪武帝の第四子である永楽帝(1360~1424、在位1402~1424)は、洪武帝が国家統治のために全土に分封した藩王のうちの一人、燕王として北平に赴いていたが、洪武帝の孫であり自らの甥でもある建文帝の治世に反旗を翻し、靖難の役と呼ばれる争いを通じて帝位を簒奪し、永楽帝として明朝に君臨した人物である。
本稿では、燕王がいかにして北平にて台頭し、そして靖難の役は何故勃発し、勝利した永楽帝がどのようにして権力を掌握し、専制皇帝として明朝に君臨したのかを概観することで、設問に対する答えとしたい。
第1章 燕王はいかにして力を蓄えたのか
(1)諸王封建制
燕王、後の永楽帝は、北平の藩王として建文帝に反旗を翻し帝位を簒奪した。その経緯を述べるにあたり、はじめに藩王とは何であるかを確認しておきたい。
太祖洪武帝は、自らの自立の拠点であった江南の応天府、後の南京に宮城を築き首都と定めたのであるが、北辺から遠すぎるという立地であるがゆえに、北方の北元勢力に対する防衛という観点からは、次のような3つの課題を抱えていた。「一つ...