2022年度までのレポート課題です。実体法と手続法の定義と相互の関係性について述べています。
1.実体法と手続法の区別
はじめに、実体法と手続法の定義について確認する。
実体法とは、権利や義務といった法律関係の発生や消滅、効力などを定義している法で、憲法、刑法、民法、商法などが該当する。対して手続法とは、権利を行使したり義務を履行したりするための形式を定めた法である。つまり、権利や義務の実体と、権利や義務を実現するための形式どちらを定めているかという点が両者を区別する基準であり、その違いである。
2.実体法と手続法の違いと相互関係
次に、刑事事件と民事事件を例に採り両者の違いと相互関係について検討する。
2.1民事事件の場合
ここでは、夫婦間のトラブルによる離婚争議を考える。
日本の制度では、「協議上の離婚」と「裁判上の離婚」の2通りの選択肢がある。夫婦間での話し合いによって離婚が成立しないとき、民法第770条の規定によって法の力による解決を試みることができる。このとき、民法に定められているのは離婚の訴えを起こすことができるという点と、その条件のみである。離婚の訴えを起こした後、どのような手続きや形式を以って裁判を行い、争議を解決するかまでは民法には書かれていない。すなわち、民...