2022年 商法(手形・小切手法) 第2課題 C評価

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    1 そもそも人的抗弁の制限の根拠は、明らかに経済的理由にある。善意の手形取得者が取得に当たって自己の知らない抗弁を債務者によって対抗されることがないと期待できるときにのみ手形の流通は促進されるが、その理論的根拠が争われていた。
    手形授受の当事者間では、その当事者間の特約に基づく抗弁、同時履行の抗弁、相殺の抗弁などを人的抗弁として対抗できるのは当然である。
     もっとも、本件についてみると、AはBに、建物建設のために、工事代金の前渡し金の代わりに約束手形を振り出したものであり、金融機関CはBから割引のため裏書譲渡されたもので、Aとの関係では当事者間ということはできない。本件では、Bの倒産により本件請負契約がなされなかった原因関係の無効等によってAは支払を拒んでいるものであるが、手形関係は原因関係の影響を受けないという無因論からは、手形の譲渡・裏書による移転を手形債権の譲渡とみなして、裏書譲渡の際には、手形債権と切り離されている人的抗弁の制限があるのが本則で、取得者が悪意の場合には特別に悪意の抗弁が成立すると解され、第三取得者は手形の移転により自己固有の権利を取得すると解される。
     かつての...

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