日本大学通信教育学部、2023~2024年度の知的財産権法のリポート課題①、「特許権の効力制限について論じなさい。」の合格リポート原稿です。手書きの際に若干修正を加えております。補助教材などを参考にご自身で作成してください。
丸写しでの提出はおやめください。誤字脱字など修正しておりません。あくまで、ご自身のリポートの参考としてお使いください
生物関連発明の特許性について論じるにあたり、まず特許を受けることができる発明から確認する。特許法が保護の対象としているのは、発明である(特許法一条)。その発明の定義は、自然法則を利用した技術的思想のうち高度なものである(同二条)。そのため、自然法則そのものや単なる発見、自然法則に反するもの、自然法則を利用しないもの(経験則など)、技術的思想ではないもの(動作などの技能)は対象とならない。
前述の一条規定に合致する発明でも、特許を受けることができないものがある。特許法三二条では、公の秩序や善良の風俗又は講習の衛生を害する恐れがある発明について、特許を受けることができないと規定している。これは、公序良俗や公衆衛生を害する恐れがある発明を指し、不特許事由と称される。この規定が存在する理由は、特許法の立法趣旨が発明を奨励し、産業の発達に寄与すること(同一条)であるから、公序良俗や公衆衛生を害する恐れがある発明の奨励によって、産業の発達を促すべきではないからだと読み解ける。この公序良俗は社会秩序や道徳観念を意味するため、クローン人間などの発明は、不特許事由に該当するとされている(特許・実用新...