法政大学通信・東洋史概説2
法政大学 通信教育部
科目コード・34502
科目名・東洋史概説 第2回
文字数・2000字程度
課題・明朝成立の背景について、何故、江南から明が興ったのか、宋から元までの歴史を踏まえて述べよ
明朝成立の背景について考察する際、宋から元にかけての歴史的流れを理解することが重要である。宋朝は中国史上において、文化的にも経済的にも非常に繁栄した時代だった。しかし、その後の政治的な混乱や軍事的な弱さは、元朝による支配へとつながった。元朝はモンゴル帝国の一部として、中国を支配した外来勢力であった。このような背景の中で、明朝がどのようにして江南地方から勃興したのかを見ていく。
宋朝末期、政治の腐敗と軍事力の弱体化が顕著であった。
宋朝の弱体化は、いくつかの重要な側面から理解することができる。政治的な腐敗は、この時代の重大な問題の一つだった。官僚制度は時間の経過とともに形骸化し、政治の品質は低下していった。高位の官職が金銭で取引されるようになり、貪欲な官僚によって政治が汚染された。さらに、中央集権の弱体化が進行し、地方の豪族や軍閥が力を増していった。これにより、中央政府の統制力は弱まり、国全...