2023年度の佛教大学通信の日本文化史の合格済みリポートと科目最終試験です。リポート作成の参考にしてください。
日本文化史リポート
設題:親鸞の末法思想について考察したところを述べなさい。
親鸞(1173-1262)は、鎌倉時代に生きた僧侶であり、その中で浄土真宗を開き広く衆生に教えをといた。この鎌倉時代は、平安時代後期から始まる末法思想が蔓延っていた。末法思想というのは、「釈迦が入滅してから、その教えが徐々に衰退しいく思想」1である。正しい教えが受け継がれる正法の時代に続いて、教えとその実践は残るが、正しい修行がなされないために誰もさとりを開くものがいない像法の時代の時代を経て、教えは残るが、行(実践)も、証(悟り)もなくなることが末法の時代である。末法の時代は1052年から突入するとされており、親鸞はまさにこの末法思想の空気感、いわゆる鬱屈した気分が民衆に広まっている時代を生きたことになる。
末法の世を生きた親鸞は、自己の心を見つめ続けた人、その底にある深い闇を見続けた。また末法の時代の中でも、そこからいかに「生死出離」2ができるかを真剣に考え続けた人であった。
西行、道元の歌への態度の違いから、親鸞という人物の特徴を知る手掛かりとなる。またその違いが三者の仏道に対する考え方にも表れている...