「作間真一 教育心理学 玉川出版部」をもとに述べています。
人間は生まれた時からそれぞれに傾向性がある。それが様々な環境の作用によって変化していく。その変化の違いが”個人差”である。似ている人間はいたとして、全く同じ人間はいない。その個人差を持った人間が似たような人間同士の集団として集まっているのが、同じ”年齢”同士で集まった学校、同じような思想で集まった宗教、生きていく中で実現したいと思うものが同じような人が集まった会社などがあげられる。後者のような団体の中には、違った考えの人は滅多に存在しないが、学校集団とは、年齢という共通点で、考えや思想の”個人差”が正反対の人間から、ある程度似ているような人間までが一つになっている。そこで集団活動をしなければならない。ここでは、学校や学級での児童の個人差を、学習・学習意欲、道徳性の視点から考えていく。
学校での教育活動として学習が挙げられる。そこにも個人差があるのは言うまでもない。ある事柄に対する認識の違いが挙げられる。今まで児童が学習してきた方法もそれぞれで、言葉の認識の違いも存在する。例えば、教師が「大きい動物は?」と質問すると、自分より大きな動物園で見たことある動物を言う児童もいれば、今までゾ...