新儒学の受容と構想

閲覧数3,152
ダウンロード数11
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    新儒学の受容と構想――中江藤樹を中心に
    一>背景知識
    1、中国の儒学の吸収と発展
    1-1中国の儒学
    先秦儒学(原始儒学)――孔子・孟子・荀子を代表として
    四書:「大学」「中庸」「論語」「孟子」
    易経(えききよう)(周易)・書経(尚書)・詩経(毛詩)・春秋(しゆんじゆう)・礼記(らいき)。
    「格物」・「致知」・「誠意」・「正心」・「修身」・「斉家」・「治国」・「平天下」
    新儒学―宋学(特に朱子学)――北宋:周 敦颐、張 載、程氏兄弟 南宋:朱熹
            陽明学――明:王陽明
    陰陽五行などの伝統的観念や、老荘の学、仏教の哲理や世界観を儒学の世界に取り込んで儒学を新しく体系付けた。朱熹氏が北宋以来の理気世界観に基づいて集大成した。
    理気二元論(宇宙を存在としての気と存在根拠、法則としての理、人間においては前者が気質の性、後者が本然の性となり、) 
    方法としては、格物致知、居敬窮理、主敬静坐などである。
    陽明学は、宋の陸象山に始まり明の王陽明に至って大成した儒学です。端的に言えば、「致知」の学で、人が先天的に持っている知である「良知」を求めるべく実践躬行し、体験して良知を実現することが「致」であるとし、「知行合一」を説く儒学で、一種の実践倫理学であるとも言えます。
    明代中葉以後、王陽明を初め、朱子学の批判、修正を通じて多くの儒家による学理上の革新が続き、清末の共和思想にも及ぶなど、思想史上、見るべきものがある。
    1-2、中国の儒学の吸収
    KEY WORD:百済の王仁、聖徳太子(留学生・留学僧)、五山禅僧、
    A>西暦285年、朝鮮の百済(くだら)の王仁が『論語』、『千字文』を持って日本へ伝来した。(『日本書記』、『古事記』による)
    B>聖徳太子は、中国の儒学思想を日本の政治制度に取り入れた最初の人物である。
    日本早期儒学は、政治理念として日本の政治だけに影響を与え、当時の日本人の道徳の実際にはほとんど影響を与えていなかった。
    日本の早期儒学者たちは、実生活の中で儒学思想を哲学武器として、そのほかの思想と論弁することができず、思想の創造や発展はほとんど見るべきものがなかった。この意味から言うと、日本の早期儒学は哲学としての意義が欠けていたと言える。
    C>鎌倉、室町時代を通して、宋学はほとんど五山禅僧の手によって、伝承されていた。日本の禅僧たちは、大陸の禅宗の影響を受け、儒仏一致の見地から宋学を講じた。当時の宋学は、仏教の禅宗の従属物として存在したのである。
    D>江戸時代になって、日本儒学は禅宗の従属としてに状態から抜け出し、独立を初め、いよいよ全盛期を迎えるようになった。
    朱子学派――
    朱子学派
         陽明学派
         古(義)学派
         水戸学派
         古文辞(ケン園)学派
         古注学派
         折衷(考証)学派
    藤原惺窩(1561~1619)
    名を肅と言い、京都の人です。朱子を尊崇すると同時に陸象山の学にも詳しく、朱子の新注に基づき始めて四書五経に加点を施し、近世儒学の祖とか日本朱子学の開祖などと言われていますが、特に己の学説を述べたような書は有りません。文禄二年(1593)に家康に招かれて、江戸で『大学』『貞観政要』などを講じていますが、京都に帰った後は、専ら『四書朱註』を講じています。彼の儒学に対する考えを見るには、『大学』を摘出して和文の解釈を施した『大学要略』二巻が有り、また彼の文章を集めたものに、『惺窩先生文集』十八巻が有ります。
    陽明学派
    古学派――山鹿素行、伊藤仁斎、荻生徂徠など
        「古学派」と呼ばれてい

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    新儒学の受容と構想――中江藤樹を中心に
    一>背景知識
    1、中国の儒学の吸収と発展
    1-1中国の儒学
    先秦儒学(原始儒学)――孔子・孟子・荀子を代表として
    四書:「大学」「中庸」「論語」「孟子」
    易経(えききよう)(周易)・書経(尚書)・詩経(毛詩)・春秋(しゆんじゆう)・礼記(らいき)。
    「格物」・「致知」・「誠意」・「正心」・「修身」・「斉家」・「治国」・「平天下」
    新儒学―宋学(特に朱子学)――北宋:周 敦颐、張 載、程氏兄弟 南宋:朱熹
            陽明学――明:王陽明
    陰陽五行などの伝統的観念や、老荘の学、仏教の哲理や世界観を儒学の世界に取り込んで儒学を新しく体系付けた。朱熹氏が北宋以来の理気世界観に基づいて集大成した。
    理気二元論(宇宙を存在としての気と存在根拠、法則としての理、人間においては前者が気質の性、後者が本然の性となり、) 
    方法としては、格物致知、居敬窮理、主敬静坐などである。
    陽明学は、宋の陸象山に始まり明の王陽明に至って大成した儒学です。端的に言えば、「致知」の学で、人が先天的に持っている知である「良知」を求めるべく実践躬行し、体験して良知を実現することが...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。