まず、ヨーロッパで16〜17世紀に誕生した、経験に基づく実証的な自然科学を総じて近代科学という。
17世紀にはいり、物理学の中心課題である力学や運動理論などで、ガリレオ、デカルト、ニュートンと続き、新しい世界観と方法論を持つ近代的学問としての形態を整備し始めた。また、ガリレオにより天体観測用の望遠鏡が開発されると、天文学では、ガリレオが支持していたコペルニクスの地動説をはじめに、ケプラーの惑星の法則やガリレオの観測から、キリスト教的世界観を覆した。古代や中世とは大きくあまりに急激に科学が変化したため、「科学革命」とまで言われるようになった。
1 近代科学の方法論について
近代科学の方法論は、実験的方法と数学的方法が併用される。ある自然現象を研究するには、まず、最も適切で精密な測定機器で、1つの条件を可及的に幅広く変化させ、ある測定条件で観測、あるいは実験を行う。数学的に言えば、変化させる条件は変数に相当する。そして、測定結果と測定条件の相関関係を簡単な関係式で表せるかどうか検討し、種々の条件を変化させたすべてを包含する関数関係式が得られれば、この自然現象が「実験式」に従うと仮定すること...