佛教大学通信教育課程での【宗教学概論】合格レポートです。
設題 宗教の起源説の諸相を述べよ。
参考文献
『宗教学概論』 管井大果著
佛教大学 2022年
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宗教学概論
設題 宗教の起源説の諸相を述べよ。
宗教の祖型
宗教という文化がいかにして発生したかという問いは、ギリシャ・ローマの昔から今日に至るまで数多くの学説が提起されてきたが、宗教の起源をつきとめることはできなかった。その理由は、宗教の起源を事実として実証するために必要な資料を入手することができなかったからである。勿論、東南アジア、西南太平洋諸島、日本等に未開人の宗教または原始宗教の残存と思われる事実や神話、伝説が数多く残されているが、それらのものをそのまま宗教の起源の出来事とすることはできないため、世界宗教と共存し、重層信仰の現象を示しながら残存している。つまり宗教の起源を尋ねるために、原始人と現存の未開人の間に連続性があり、未開人と現代人の間にも連続性があるという仮説を立てることができる。その仮説は物事には一つの起源がある筈であるから、世界のすべての宗教は根源的に一つの起源から派生して、より複雑なものへと発達し、宗教はその起源の時から現代に至るまで人類が共通に連続してきた文化だという前提がある。
以上のことから現存の未開社会を分析して、それを現代社会と比較すれば宗教の起源が...