佛教大学通信の哲学概論2024年度の合格リポート(86点)です。リポート作成の参考にしてください。
「心身問題、その一答案」を「音がする」「心の中」の議論を用いながら、まとめよ。できる限り、大森の論旨を忠実に再現してみること。その上で、十分な長さで、自分の考え、意見を、できるだけ具体的な例を挙げながら、述べよ。
はじめに、心身問題とそれに対する答案の要約をまとめたい。大森は心身問題について3つの問題を挙げている。
①全局的問題:物的世界と心的現象の「重ね描き」の一元論的構図。
②色メガネの問題:透過増変質の「透視効果」による理解。
③幻覚の問題:光学的虚像と同型の「重ね描きのズレ」による理解。
これらは全曲的問題として挙げられている、いわゆる心的現象と物理的世界の関係如何であり、それに対する答案として「一元論的構図」を提出しているのである。一元論的構図を考える際、「立ち現われ」という言葉を用いる。立ち現われを「とにかく事実私に立ち現れるものの一切である」と定義し、これまでの物的と心的、知覚と思考、実在と仮像、真と偽といった様々の分類配列を一応ご破算にし、一つの統合的配列を新たに浮き出そうとしている。
まず幻覚について、知覚的描写と物理的描写の重ね描きにおいて時空的な「ズレ...