垂直統合とは
製品を市場に供給するために必要な業務や生産工程の段階を社内に取り込んで、企業活動の範囲を拡張すること。企業は生産や販売へと自社のコントロールの範囲を広げることで、様々な競争の手段を持つことができる。また、生産や販売との一体化によって、経営効率を上げることができる。
垂直的統合のメリットとデメリット
メリット・・・規模の経済性をクリアできれば、研究開発・生産・販売・管理などの諸機能の共同化によるコストの削減、顧客ニーズに関する情報メリット
デメリット…参入コスト(設備コスト)
管理費の増加
取引相手を変えないことによる競争地位の低下
社内取引になることで競争感覚・業績感覚が麻痺する
トヨタが行う垂直的統合
カード事業、中古車ビジネス、カー用品販売、自動車整備補修
トヨタカード”を提携発行から自前発行
“ジェームス” カー用品販売チェーンの展開
独立した中古車ビジネス
整備補修サービス
カンバン方式
主戦場で力の弱い企業が垂直方向に事業を拡大したとしても、成功確率は低い。
新日本製鉄が行う垂直的統合
携帯電話や医療用機器に使用される高周波用電線、設計段階からスペックインすることが必要な自動車用ハーネスや電源コード
国内の家電・自動車等のユーザー産業との積極的な垂直連携
インドのミタル・スチールがルクセンブルクのアルセロールを買収
ウジミナスとの資本提携
鉄鋼世界最大手のミタル・スチールと提携関係の継続
韓国、ブラジルへと、守りの盾はさらに広がる
ウジミナスを通じて新高炉の建設を計画
ブラジルには世界の自動車メーカー各社が進出
戦後初となる海外新高炉の建設
足元の好業績が、こうした攻めの姿勢を後押し。
トヨタ自動車 新日本製鉄 2003 2004 2005 2003 2004 2005 粗付加価値対売上高比率 24.28 19.80 19.84 14.49 16.50 20.53 (材料費+外注費)対売上高比率 ― 16.43 17.87 55.34 52.10 45.76