大同での緑化協力 環境林センター

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    大同での緑化協力
    環境林センター
     
     95年から建設がはじまった大同市南郊区の『地球環境林センター』は、苗畑、見本園、温室、実験・研修施設、宿舎を備えた緑化協力の拠点となる施設です。苗畑では、果樹園につかうアンズ苗やマツとの混植につかう灌木・広葉樹の苗を生産しています。土壌の条件があわないので、マツ苗はここでは育てていません。
    土壌微生物による汚水処理
     2000年春に20haに拡張したため、給水・排水設備や土壌改良などの必要性がでてきました。潅漑には、井戸水と隣接する炭鉱住宅の生活廃水を利用しています。従来、生活廃水は重金属などが混ざっている心配はないからとそのままつかっていたのですが、やはり処理が必要だとわかり、土壌微生物を利用して汚水を浄化する施設をつくりました(黄土高原だよりNO.201、202をご参照ください)。技術・設計はメイドインジャパンですが、資材のほとんどは現地で調達可能、ごく簡単な仕組みなので保守や修理も現地で対応できるうえ、きわめて高い処理能力をもっています。  この浄化槽は03年、04年と大活躍しましたが、05年、思ってもみなかった事態が発生しました。原水である生活廃水が激減したのです。周囲の畑でもこの生活廃水を灌漑につかっていて、この廃水の確保はご近所の農民たちにとっては死活問題。結局、センターの灌漑は井戸水に頼ることになり、05年以降、浄化槽は休眠状態です。早く運転を再開できるといいのですが……。
     排水設備の重要性も忘れるわけにはいきません。土壌は強いアルカリ性なので、潅漑した場合は排水をきっちりとしないと塩害が出てしまいます。また、20haのなかでも、土壌の条件はパッチワーク状にことなっています。それぞれにあった利用方法を考え、堆肥をいれたり砂を混ぜたりして改良しています。
    見本園
     多様性のある森林を再生するために、現地に自生する広葉樹を造林に利用したい。これまでかえりみられなかったリョウトウナラなどを、山地・丘陵地緑化に活用できるかどうか、環境林センター、霊丘自然植物園、カササギの森のそれぞれで試験栽培しています。センターの見本園ではそれ以外にも、各地から集めてきた寒さと乾燥に強い植物など、緑化につかえそうな樹種を育てています。
     大同市の隣、朔州市の懐仁県に、ドイツのODAでつくられたポプラの研究所があります。そこから42種類の改良種をゆずりうけ、さらに日本の王子製紙からも40種類の提供をうけて敷地の北東にポプラの見本園を建設しました。丈夫で、カミキリムシの害に強い品種がみつかれば、育苗して道路沿いや水路沿いの防風防砂に役立てることができます。
     私たちが思いもよらなかったことがつぎつぎと出てくるこの協力活動ですが、この地球環境林センターがちょっとした名所になってしまったこともそのひとつです。99年ごろからようやく環境保護を重視しはじめた中国ですが、その一環として「退耕還林」がすすめられています。農耕に不適な土地は畑作をやめて森林や草地にかえそう、というものです。そのための植樹はいたるところで積極的に進められていますが、その基地の機能をもつセンターのような施設はまだ珍しいのです。林業関係者、政府関係者、青年団関係者など訪問者は山西省内外からひきもきらず、また、近隣の学校からの見学などかわいいお客さんもあります。日本からも、北京の日本大使館から公使が視察に訪れたり、民間ODAモニターの対象にもなりました。
     今後は、緑化に対する啓蒙活動を視野に入れた、ショーウインドウ的な役割も大きくなってきそうです。そのために、見学コースの設定や案内板の設置など、新しく取り組むべきことが本当につぎつぎと出てきています。
    情報提供先→  http://homepage3.nifty.com/gentree/center.html

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