集団援助技術(以下グループワークとする)とは、個人のパーソナリティ(人格・性格)の成長・発達と社会的適応を図るために、集団活動をとおして援助する技術である。グループワークは、集団のメンバーと援助者(グループワーカー)との相互関係や、集団のメンバー間に発達する相互作用やプログラム活動などをとおして展開される。
グループワークの実践的理論化に大きく貢献したG・コノプカは、「ソーシャル・グループワークとは、ソーシャルワークの一つの方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また個人、集団、地域社会の問題により効果的に対処しうるよう、人々を援助するものである」と定義づけている。
(1)グループワークの歴史的展開
グループワークの歴史的な萌芽は、19世紀半ばから20世紀初めにイギリスやアメリカで起こった、青少年団体運動やセツルメント運動など、宗教的意義や人道主義による「社会改良運動」に求めることができる。
イギリスでは、18世紀後半に、工業生産の様式を大きく変える産業革命が起こった。産業革命は、人々の価値観や生活様式にも強い影響を与えた。人々は仕事を求めて都市部へと移動し、また貧富の差が著しくなるなど、社会構造そのものを大きく変えていった。
このような時代背景のなかで,1844年、人格形成を目的とする社会サービスを最初に提供した団体である,ロンドンのYMCA(Young Men’s Christian Association ;キリスト教青年会)が誕生している。当時の青年のレクリエーションとしては、場末のパブで飲むこと、タバコを吸うこと、賭けごとをすることぐらいであったが、YMCAでは青年の精神的豊かさを求めて、読書室、安静室、図書館を設けただけでなく、体育館を建造することで、レクリエーションやクラブ、スポーツなどの小集団によるグループ活動を行った。
「集団援助技術(グループワーク)について」
集団援助技術(以下グループワークとする)とは、個人のパーソナリティ(人格・性格)の成長・発達と社会的適応を図るために、集団活動をとおして援助する技術である。グループワークは、集団のメンバーと援助者(グループワーカー)との相互関係や、集団のメンバー間に発達する相互作用やプログラム活動などをとおして展開される。
グループワークの実践的理論化に大きく貢献したG・コノプカは、「ソーシャル・グループワークとは、ソーシャルワークの一つの方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また個人、集団、地域社会の問題により効果的に対処しうるよう、人々を援助するものである」と定義づけている。
(1)グループワークの歴史的展開
グループワークの歴史的な萌芽は、19世紀半ばから20世紀初めにイギリスやアメリカで起こった、青少年団体運動やセツルメント運動など、宗教的意義や人道主義による「社会改良運動」に求めることができる。
イギリスでは、18世紀後半に、工業生産の様式を大きく変える産業革命が起こった。産業革命は、人々の価値観や生活様式にも強...