■生活を反映するごっこ遊び
子供は自由遊びを行うときに、自分たちの基本的な生活の型を、驚くほど正確に、模倣している。
ルイス・Bマーフィーによると、この原則は、すべての文化圏で、みられることであるという。
たとえば、インドの大家族の子供たちは、人形遊びをするときに、大家族を象徴するかのように、ぐるりとたくさんの人形をあつめ、大集団を作り上げる。逆にアメリカの子供たちは核家族で、身近に経験した出来事を設定するという。
同様に、現代の日本の子供たちであれば、自分の家庭をそっくりそのまままねて、小さな家族を設定するのである。事実、おままごとにでてくる構成は、非常に少人数であるし、場合によっては「お父さん」がそこから省かれている場合があるのだから、驚きを禁じえない。
〜スラム街に暮らす子供たちの場合〜
スラム街に無秩序に詰め込まれるようにして住む、恵まれない子供たちの場合はどうなのであろうか。多くの文献から、その子供たちの「言葉」「好奇心」の乏しさを知ることとなった。
彼らは、主に、砂・水・粘土などで遊んだり、地面に絵を書いたり、土団子を作ったりといった遊びにふけっているようだった。
気づいてみると、感覚的な遊びばかりである。言葉を使ったり、ものを見立てることをして遊ばないという。
見立てが行われる条件
1、見立てるものと実物の間に何らかの共通性が見出せること
2、子供が実物について、強いイメージをもっていること
おそらく、この2の部分が欠如しているのであろう。言うまでもなく「ままごと」であれば、実物は、家庭である。ごっこ遊びがでてこないということは、彼らは自分のまわりを取り囲む全ての環境に対して、なんのイメージも形成されていないということなのだろうか。
子供にとても重要な意味を持つ遊び。それを育むのも、結局のところ、まわりの環境=家庭だということなのである。
保育総論レポート
■遊びの種類と発達
<道具を使った遊び> ⇒一人遊び
*感覚運動的遊び・・・自分の行為が引き起こした結果を楽しむ遊び
(時期)3ヶ月~
積み木を打つ、ボールを落とすetc
*破壊遊び・・・ものを自由に支配する喜びを味わう遊び
(時期)6ヶ月~
ブロックを倒す、新聞紙をクシャクシャにするetc
構成遊び・・・ものを作り上げる喜びを味わう遊び
(時期)1歳代~3歳までの間に出現
ミニカーを一列に並べる、ブロックを継ぎ足し長くしてゆくetc
<相手のある遊び>
大人との遊び・・・同調の関係性、やりとりを楽しむ遊び
(時期)4,5ヶ月~
「イナイイナイバァ」etc
友達との遊び
(時期)2歳~5歳:パーテンのカテゴリーによる
①平行遊び・・・他児のそばで同じおもちゃを使うが交渉を持たない遊び
②傍観的行動・・遊びに加わらず、活動を眺めたり、口出しをしたりするなどの行動
③連合遊び・・・他児と一緒に同じ活動に関わる遊び
④協同遊び・・・協力や役割分担などがある遊び...