現代社会において、私たちの生命観は、大きく揺れ動いている。新しい医療技術の進展の結果、心臓移植、体外受精などの問題や妊娠中絶、尊厳死など従来の医療倫理や生命観では対処できない問題が続発し、新しい「医の倫理」の確立が求められてきた。新たに「生命の質」が論じられ、患者本人の価値観、生命観、また家族など周囲の人々とのコミュニケーションも考慮し、「質的」に評価することにより、患者を、
キーワード 生命倫理 自己決定 生命の質 QOL 神道 仏教
本稿では、「生命は個人の持ち物ではないと考えられる理由を、伝統的な文化を視野に入れて、考えて下さい。」という課題について、私なりの見解について述べていきたい。
現代社会において、私たちの生命観は、大きく揺れ動いている。新しい医療技術の進展の結果、心臓移植、体外受精などの問題や妊娠中絶、尊厳死など従来の医療倫理や生命観では対処できない問題が続発し、新しい「医の倫理」の確立が求められてきた。新たに「生命の質」が論じられ、患者本人の価値観、生命観、また家族など周囲の人々とのコミュニケーションも考慮し、「質的」に評価することにより、患者を、...