若者と身の回りの宗教と信仰
1.はじめに
今回のレポートにおいて私は、私と同年代の人々の宗教に対する関心や宗教的行動について興味を持った。なぜなら、90年代からの日本では宗教に関するニュースや新聞記事が目立っていて、若者たちも少なからず宗教に関心を向けているのではないかと思ったからだ。主だった宗教関連のニュースといえば、オウム真理教の松本サリン事件やパナウェーブ研究所の事件などが挙げられるだろう。海外ではイスラム教の国々の内戦やイラクへの自衛隊派遣問題などが挙げられる。また、それ以外にも、占いや血液型別の相性判断、幽霊や神への信仰など若者の流行を走る宗教的なものも存在する。そこで私はなぜ占いや血液型別の相性判断はブームなのか、若者たちの宗教に対する意識や信仰はどうなっているのかを調べ、明らかにしていきたいと思う。
2.占いへの関心
若者たちは占いへの関心が非常に高い。占いには手相や易、姓名判断など息の長いものもあるが、動物占いや寿司占いなど流行してはすぐに廃れてしまうものもある。主におみくじ、星占い、姓名判断や手相に関しては特に20代の若者の関心が高い。また、占いに関心を示すのは女性のほうが強いことがわかっている 。田丸敏高・今井八千代らの1989年の調査によると、占いを「よくする」と答えた女性が6.4%、「ときどきする」と答えたのが42.2%で合計すると48.6%でほぼ半数となっている。若い女性が占うのは恋愛、未来の生活、職業、一日の運勢が多く、特に恋愛に関する占いが突出している 。そこで「占いに『あなたは近いうち、素晴らしい異性と巡り合うことができる』とあったとき、どんな気持ちになりますか」という質問をすると、「本当になるに違いない」と答えたのが2.1%、「少しは本気にする」と答えたのが23%であり、「うれしく思う」の39%が最も多い回答であった。さらに「今までに、占いどおりになったことがありますか」という質問では肯定回答が4割を超えているがその内訳は「偶然の一致」「本人が気にし過ぎるから」が大半で、占いに対する信頼はさほど高くない 。また、「占いは、あなたの生活にとって必要ものですか」という質問には「ほとんど必要ない」と答えたのが54.3%、「まったく必要ない」と答えたのが18.3%と否定的な回答が7割を超えていた。占いへの強い関心と占いへの信頼は一致するわけではない。では、これほどまでに若い女性たちが占いに関心を寄せているのはなぜなのだろうか。私は次のように考える。
人々が占いに求めるものはコミュニケーションツールとしての役割や、他人と関わるためのマニュアルとしての存在、そして占いたいと思った瞬間に結果が出るコンビニエンスストア的な気軽さと、おまけつき食玩のようなお金がかからず得した気分になれることである。これこそ女性たちがこれほどまでに占いに関心を寄せている原因なのではないだろうか。
3.血液型性格判断への関心の高さ
現在、星座よりも血液型の相性のほうが信頼しやすい傾向にあると言える。ほとんどのテレビ番組では、血液型別の運勢などを報じているのも見受けられる。これは占いというよりは科学的に判明できる何かと関係しているのではないと考えることによって生じた差ではないだろうか。血液型性格判断に関しては、心理学や社会心理学などの関連諸分野で実施された調査では、血液型と性格の間に明確な関係を見出すことができなかった 。血液型性格判断のブームには3つの側面が存在している。第1は娯楽機能で、血液型の話をしていると楽しいという側面である。第2は人間の関
若者と身の回りの宗教と信仰
1.はじめに
今回のレポートにおいて私は、私と同年代の人々の宗教に対する関心や宗教的行動について興味を持った。なぜなら、90年代からの日本では宗教に関するニュースや新聞記事が目立っていて、若者たちも少なからず宗教に関心を向けているのではないかと思ったからだ。主だった宗教関連のニュースといえば、オウム真理教の松本サリン事件やパナウェーブ研究所の事件などが挙げられるだろう。海外ではイスラム教の国々の内戦やイラクへの自衛隊派遣問題などが挙げられる。また、それ以外にも、占いや血液型別の相性判断、幽霊や神への信仰など若者の流行を走る宗教的なものも存在する。そこで私はなぜ占いや血液型別の相性判断はブームなのか、若者たちの宗教に対する意識や信仰はどうなっているのかを調べ、明らかにしていきたいと思う。
2.占いへの関心
若者たちは占いへの関心が非常に高い。占いには手相や易、姓名判断など息の長いものもあるが、動物占いや寿司占いなど流行してはすぐに廃れてしまうものもある。主におみくじ、星占い、姓名判断や手相に関しては特に20代の若者の関心が高い。また、占いに関心を示すのは女性の...