最近「セックスレス」が流行っている傾向があるが、男女は基本的にセックスでつながっているべきものであるから、やはりセックスは必要である。夫婦は甘えあう関係にあることが望ましいが、互いに社会の制度の中で「役割」を演じあう日本社会ではそれは難しいのが現状だ。このような現状の中で生きていかなければいけないという事実によって、「自己解体」が困難であるために、コミュニケーションを目的としたセックスを考える機会が与えられない。このため、日本では、性に対する偏見が多く見受けられるのだ。二人の間における、愛の有無とは関わりなく、「役割」を分担するという、生活の便宜上の理由で、結婚を継続する夫婦が多いのも、このためだと言える。日本のポルノの刷り込みによってセックスについて誤認識をするようになったことも指摘されており、また、「精子がたまって性欲がわく」という、男性側も女性側もとらわれている考えについても、それは科学的に間違いであって、「男性が性欲を自制するのは困難」だというステレオタイプ的な考えは誤ったものであると述べられている。夫婦関係をベターなものにするには、互いに理解しあい、思いやる努力が必要である。夫だけが外で働き、家庭にお金を入れるという構造においては、夫婦が「ともに生きる」という実感が失われがちだが、妻も社会に出て行くようになればそれは解決される可能性が高い。どんなに上手くいっている夫婦でも、「飽きる」という問題は残る。飽きないためには、たくさん経験してセックスとはこの程度のものだと見切りをつけるか、契約結婚をすることで緊張感ある関係を保つようにするのがよいのではないか。
ヒューマンセクソロジー
① 対談「暮らしの中のエロス」を読んで
最近「セックスレス」が流行っている傾向があるが、男女は基本的にセックスでつながっているべきものであるから、やはりセックスは必要である。夫婦は甘えあう関係にあることが望ましいが、互いに社会の制度の中で「役割」を演じあう日本社会ではそれは難しいのが現状だ。このような現状の中で生きていかなければいけないという事実によって、「自己解体」が困難であるために、コミュニケーションを目的としたセックスを考える機会が与えられない。このため、日本では、性に対する偏見が多く見受けられるのだ。二人の間における、愛の有無とは関わりなく、「役割」を分担するという、生活の便宜上の理由で、結婚を継続する夫婦が多いのも、このためだと言える。日本のポルノの刷り込みによってセックスについて誤認識をするようになったことも指摘されており、また、「精子がたまって性欲がわく」という、男性側も女性側もとらわれている考えについても、それは科学的に間違いであって、「男性が性欲を自制するのは困難」だというステレオタイプ的な考えは誤ったものであると述べられている。夫婦関係をベ...